20140112

(まだ正月休みの頃のねぎ社、宿直室)



千雪:(コン、コン)………………
   (コン、コン)………………
   ………返事がありませんわね………


”ガチャ”


千雪:いやぁああああああっっ!!!!

久我:!?…何だ、千雪君か…人の顔を見ていきなり悲鳴とは、中々に失礼じゃないか…

千雪:失礼もなにも、そんなボサボサのヨロヨロの浮浪者みたいな顔して
   いきなりドアを開けられたら驚かないわけがないですわ!まず返事くらい、なさい!

久我:……フフフ……済まないね……つい研究に没頭してしまってだね……

千雪:その身だしなみも最低ですわ!清潔感のない男性ほど最低なものはありませんわ!

久我:フ…フフフフ…これでも…ちゃんと毎日風呂には入っているから安心してくれたまえ…
   ただ髪も髭も全くセットしていないだけだからね…

千雪:お正月休みだからって、そんな自堕落な生活をして!
   在素さんはどうしたんですの!彼女がそのような状態の貴方に黙っているとは…

久我:在素なら……正月早々喧嘩して、怒って出て行ってしまったよ……
   しばらく同居していない間にすっかりませてしまったようだな……
   少し、交友関係に口出ししたらすぐ怒ってしまって……

千雪:口出し…?

久我:在素にちょっかい出してくるクラスの男子生徒数人を
   ちょ――――っと脅しただけなんだがね…

千雪:小学生男子相手に大人気ありませんわね!?
   というか、在素さんは今社員寮に入れないんじゃなくて?

久我:あの子は自分でそれなりの財産を持っているからね…
   恐らくホテルなどに泊まっているだろう…


千雪:小学生が一人でホテルに泊まれるんですの…!?

久我:そこは大人化薬とか適当に利用してだね…ふふ…流石我が娘…

千雪:つまり現状、娘が家出状態ってことですわよね!?心配じゃないんですの!?

久我:心配は心配だが…今取りかかっている新薬の研究に手が離せなくてだね…

千雪:貴方は娘より研究の方が大事なんですの!?
   そんな事だからいつまで経ってもお母様に心配をお掛けして


久我:………あぁ………成る程ね………

千雪:………!?

久我:君が珍しく、しかも会社が休みの時に宿直室を訪ねて来るなんて、
   どういう用件かと思えば…
姉さんの差し金って訳だね…フフフフ…

千雪:そうですわよ!お母様に様子を見て来い、なんて言われなければ
   誰が貴方になんて会いに来るものですか!

   もう、お元気そうなのは良くわかりましたから、私は帰……

久我:まぁまぁ来たばかりでそんなこと言わずに…
   お茶でも入れるからゆっくりして行きなさい…

   ビーカーで入れたお茶でよければ

千雪:それは私に帰れと言っているのと
   同義と見てよろしいのかしら?

久我:うちじゃ普通の入れ方なんだがね…フフフフ…

千雪:……ま、まぁお母様への報告の為にも、上がらせて頂きますわ。















千雪:……身だしなみとは裏腹に、意外に整理整頓されていますわね。
   …というか、塵一つ落ちていない!?こんな引きこもり男性が
   住む部屋なのに逆に不気味ですわ…!


???:………(ゴツン)

千雪:!? 背中に何かぶつかっ……

久我:おやおや、うちのお掃除ロボット「ルン・バ太郎」君が反応してしまったようだね。

千雪:お掃除ロボット… !?

久我:太陽光電池で半永久的に掃除をし続ける、私特製の掃除ロボットだ……
   両足が市販のお掃除ロボット、ルン●になっている他、

   ゴミと見なしたものは自動的に排除してくれる……

ルン・バ太郎:………(ゴツン)

千雪:!? ちょっと、またぶつかってきたんですけど !?

久我:あぁ……千雪君のことは初めて見るものだから、
   ゴミと見なされているのかもしれないね……

千雪:失 礼 な !!!

ルン・バ太郎:………(ゴツン)

久我:コラコラ、バ太郎君。千雪君はゴミじゃないよ。

千雪:このポンコツロボット……不愉快ですわ!!!私はもう帰ります!!お母様には、
   叔父様はとりあえず生きていると報告しておきますわ!!


久我:もう帰るのかね…残念だよ。可愛い姪っ子がせっかく訪ねて来てくれたのにね。

千雪:……可愛いなど……心にもないことおっしゃらないで下さいませ。

久我:心にも無いなんて事は、無いよ。
   千雪君は…私が身内と呼べる、数少ない人間の一人だから…ね。


千雪:私は…貴方なんて、お母様の弟でなければ、本当にどうでもいい人間の一人ですわ。

久我:フフフフ……そういう所、本当に姉さんにそっくりだね……
   姉さんにも、昔から色々言われたからね……
   ますます、血の繋がりを感じずにはいられんよ……フフフフ……

千雪:……………失礼しますわ!!!















久我:(姉さんが何を考えてるかは知らんが…裏で実家と通じている所もあるのか…
   だが……どんなに監視されようと何をされようと、
   私が実家に戻ることは、有り得ん……。)