沙織:は~、今日から一週間、カズくん出張か~。今夜ひとりで何食おー。

湧木:出張と聞いてジャジャーン!

沙織:おや湧木おはよう。

湧木:おはよう沙織ねぇさん!
   そうそう、今日から桐島主任は一週間、大阪に出張なんですっスよー!

沙織:よく知ってるね……って、そーいや同じ部署だったっけか。

湧木:∑( ̄▽ ̄;)僕最近、企画開発会議に出てるじゃん!気付いてないの!?

沙織:だって湧木って、人出の足りない部署転々としてるイメージが強くてさ~。
   開発専属になったって実感があんまなくてね?なんか白衣も似合わないし。

湧木:ガ━━━(;゚Д゚)━━━ン!!
   ……ひ、ひどい……いくら元彼氏だからって気心知れた仲とはいい、酷い!

沙織:(´△`)えー 思ったこと言っただけだもーん

湧木:……ま、まぁいいっス……ところで、桐島主任が出張!出張なんですよ!

沙織:ずいぶん嬉しそうだね?

湧木:だってあの小姑みたいに鬱陶しい上司……いえいえいえ、主任がいないと
   心置きなく沙織ねぇさんと話せるっていうかー。

沙織:別にあの人がいてもいなくても、いつも普通に話してるじゃん。

湧木:そんなことないっス!僕が沙織ねぇさんと話してる現場を見た桐島主任なんて、
   いつも視線だけで僕を焼き殺しそうな勢いで睨んでくるんっスから!

沙織:あっはっはっはっは!しょーがないよ!カズくん湧木のこと嫌いだから!

湧木:∑( ̄□ ̄;)ちっとはフォローしようとか
   思わないんスか!
   ち…ちっくしょおお、こうなったら主任のいないうちに沙織ねぇさんを
   ばんばん遊びに誘ってやる!

沙織:えー?

湧木:今夜一人でご飯がどうのとか、今言ってたっスよね!
   まずはご飯とか一緒にどう!?たまには旦那以外の男とステキなひと時を!

沙織:はぁ…。

湧木:∑( ̄□ ̄;)ちょ―――――乗り気じゃなさそう!!
   (沙織の両肩をつかんで)沙織ねぇさんっ!
   こうなったら強引にでも連れて行って

   桐島主任を嫉妬の渦に飲み込ませてやるおおお――――――!!

沙織:……身の危険、察知!(何かを取り出す)

湧木:……なんっスか、それ?

沙織:んー? カズくんが、自分が出張中に何か身の危険を感じたら
   使ってくれって言って
置いていった、なんか特別な装置みたい。
   主に「メガネかけて紫頭で語尾に『~っス』ってつく」相手
   効果があるんだってさ~。


湧木:それ沙織ねぇさんの身の回りで当てはまるの、僕くらいっスよね!?

沙織:そうかな?そうかもしれないなー。まあ何が起こるかわかんないけど
   とりあえずポチッとな!(謎の装置のスイッチを押す)

湧木:っわ――――!!
   爆弾とかだったらどーすんですか―――!!



………………………



沙織:………うーん。何も起こらないねぇ……? 失敗作なのかなぁ。

湧木:ほ……ホントだ……何も起こらない……。
   ま、まぁ……ただのハッタリ品なのかなぁ。桐島主任もお茶目なモンを……。
   ……………ってあれ?桐島主任!? 出張行ったんじゃ……!?

沙織:え?どこ?どこにカズくんいんの?

湧木:え、沙織ねぇさんの後ろに……ってあれ、隣にも…向こうにも……
   え、ええええ!?




20130414



沙織:なにー?どうしちゃったの湧木?あたしには何にも見えないけど……。

湧木:桐島主任が一人二人三人四人……十人……二十人……!?
   ひ、ひぇぇええ――!!
   腹黒陰険性悪メガネに囲まれた――!!!
   (気持ち悪がってすごい勢いで逃げる)

沙織:な、なんなん? 幻でも見てるんかなぁ湧木。




(どうやら、湧木くん限定で上総の幻を見せる装置だった模様。)