20110626

(屋上公園)



早瀬:(……ふぅ……。なかなかいい風が入ってくるな。
   たまには屋上公園に来てみるのも、いいもんだな。

   ?……おや、あれは……)


(とある男女を見つけて、なんとなく物陰に隠れて様子を見る早瀬)


明:……ここにいたんだ、眞妃ちゃん。

眞妃:ちょっと……風に当たろうと思って……(その風に煽られてふらつく)

明:ちょっ……大丈夫!?

眞妃:だ、大丈夫よ……少し休んだら職場に戻る…から

明:ちょっと風に吹かれたくらいでふらついてるのに、無理だよ!
  だから今朝も言ったじゃない!
お願いだから、病院に行ってよ!眞妃ちゃん!

眞妃:い、今は……駄目……

明:そんな状態で何言ってるの!お仕事ならタッちゃん大空クンもいるんだし、
  頼んでおけばいいじゃない!ボクが頼んであげるよ!

早瀬:(会話の様子からして……成沢部長、具合が悪いのか?)

眞妃:駄目……私にしか分からないこと、多いし……今月は特に忙しいから……
   教えるよりも、私がやったほうが、早い……し

明:本当なら、入院して安静にしてないとダメって、センセイ言ってたんだよ!?
  そりゃ、椅子に座ってるだけの仕事かもしれないけど…
  頭は使うし、安静とは言えないでしょ!


早瀬:(こんなに必死な成沢を見るのは初めてだ…って、入院!? そこまで酷いのか!?)

眞妃:……とにかく、今月中は駄目……みんなに迷惑かけられない……

明:眞妃!

早瀬:(…っと、こっちに来た) ←やっぱりなんとなく隠れる

明:そんなに無理したら、命にだって関わるよ!

早瀬:(命………そこまで酷いのか………!)














早瀬:(成沢部長が重い病気…夫婦の会話に割り込めずに戻ってきてしまったが…
   これは、誰かに相談すべきか…?だが、部長は隠していたい様子だったな…)


(そして足は無意識に経理部へ)


橘:あ、こんにちは、奥田部長。どうしたんですか?

早瀬:(成沢部長はまだ戻ってきていないか……)
   あ、あぁ。大島主任。ちょっと訊きたい事が。


橘:はい?なんでしょうか。

早瀬:(小声)……最近、成沢部長の様子がおかしいとか、体調悪そうとか、
   辛そうとか、そういったことはないか?


橘:え……?別に、いつも通りだと思いましたけど……

早瀬:(小声)内面的な問題もなさそうか?

橘:無いと思いますよ。…そもそも成沢部長はガードが固すぎて読めません…。
  心が乱れてるとかなら別ですけど。


早瀬:(読心能力者の大島主任にすら気づかせない精神力……さすがだ……)

眞妃:あら?奥田部長。こんにちは。お昼休みもそろそろ終わりますよ。

早瀬:な、成沢部長…(すごい、さっきの辛そうな顔が嘘のように、いつも通りだ…)

眞妃:どうしたんです?不思議そうな顔して。

早瀬:(これじゃ、経理部の他の者に説明しようと思っても、
   納得がいかないくらいだな……
だが、成沢もかなり心配していたし……
   ここで誰かが止めなければ、成沢部長の命が……!!)

   …………成沢部長!!!(眞妃の両肩を掴む)


眞妃:(一瞬だけふらつく)……な、なんですか?

早瀬:すいません、先ほど屋上公園での部長の様子、見てしまいました。
   さすがに黙っていられません。
成沢部長、今すぐ入院して下さい!!!!

橘:∑( ̄□ ̄;)入院!? 眞妃さんどうしちゃったんですか!?

眞妃:な、何を言ってるんです……?

早瀬:さっき、成沢…明さんが言ってたじゃないですか!命に関わる病気なんでしょう!?

眞妃:……何を言ってるのか分かりませんけど。
   とにかく奥田部長!もうそれ以上何も言わないで下さい。

   私はこの通り、何ともありませんから。

早瀬:駄目です!早く、病院に……

眞妃:お願いだから、それ以上言わないで……それ以上言うと……あま、甘え……


(眞妃、倒れる)


早瀬:成沢部長!!!

橘:眞妃さん――――!?

早瀬:……倒れた途端、すごい汗だ……どれだけ我慢していたんだ……?
   とにかく、大島主任、救急車!私は成沢を呼んで、
   あと成沢部長のご実家に電話しておく!


橘:は、はいっ!



(つづく)