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(人事部)


結佳:「献血のお願い」…?

奈津恵:ええ。ちょっと緊急だから社内全体にこのポスター貼ってくるわね。
    あ、関口さんもできればご協力お願いしますね。

結佳:え、ええ、それはもちろん構いませんけど…。そのポスター…

奈津恵:遠山君に作ってもらったんだけど…変かしら?

結佳:デザイン・レイアウトそのものは問題ないと思いますが…
    条件が普通の献血とかなり違うのは気のせいですか…?

奈津恵:ああ…献血と言っても用途が医療用ではなく……
    白鳥部長の栄養補給用ですからね。

結佳:∑栄養補給っ!?

奈津恵:彼、インフルエンザにかかって今お休みしてるでしょう(前回参照)。
    その治りがさっぱり良くないようで…。

     病院行くわけにも行かないし…。まあ、栄養取れば早く治るでしょうしね。
     で、彼の一番の栄養といえば…でしょ。

結佳:そ、そういえばそうですね…。

奈津恵:これ以上管理職に長期間休まれても困るのよね。
    アナザー(分身)とかいう代理は来てるけども

    相変わらず変な人格のが来てるみたいで中原君が悲鳴上げてるし。

結佳:うわさは聞いてますけど、大変みたいですね…。
   白鳥部長には早く良くなってもらいたいですし、わたしも協力します。

奈津恵:ありがとう。お願いしますね。






(そして献血が行われた日の夜、社員寮「わけぎ」102号室)


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奈津恵:湧木君から鍵借りたから勝手に入りますよ。

夜半:(言い方が丁寧になってるけどやってることが前回と変わらない…。)
   なに………奈津恵ちゃん。久我ちゃんまで……

久我:具合はどうだい、白鳥君。

夜半:…全然…もう死んじゃいたい。死なないけど。

久我:吸血鬼がかかり、尚且つ治りにくいインフルエンザというのも
   大変興味深い研究対象だが…
まぁ、何にせよ治ってもらわないと
   今後の仕事に支障も出るだろうからね。
残念だが。

夜半:人の病気が治るのを残念とか言わないでくれるかい…

奈津恵:とりあえず、これでも採ってさっさと元気になって頂戴。
    …よいしょっと(どさっ)


夜半:…なに、このでっかいクーラーボックスみたいなの…(開ける)
   ……うわ、これ全部血じゃないか。

奈津恵:社内で献血募ったらありがたいことに女子社員全員と
    その他大勢、ご協力頂けたわよ。
「白鳥部長の栄養補給用」とは
    どこにも書かなかったけど、みんな薄々わかっていたみたい。

    貴方、人望あるのねぇ。

久我:(剥がして持ってきたポスターを見ながら)
   しかしこの内容でよく女子社員は協力したね。


夜半:どんな内容なの…ちょっと見せて。…………
   ……別に血はどっちかといえば女の子のが好みってくらいで、
   男でも別に構わないんだけどね……

   ……………あと、この一番下にちっさく書いてあるのは、なんなの。


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奈津恵:ええ、それはまあ一応居たらと思って。まぁ居なかったんだけど。
    前に貴方言ってなかったかしら、直接噛み付いて吸う方が美味しいとかなんとか。

夜半:…そりゃ新鮮な方が美味しいけどさあ…これじゃ俺が頼んだみたいじゃないか…
   噛み付いてまでもらおうとは思ってないのに……
   奈津恵ちゃんのばかあああああ……(布団をかぶる)


久我:ま、まぁとりあえず、1人分だけでもすぐに採ってみたまえ。
   この「特製久我印血液保管専用ボックス」に入れておけば
   1ヶ月は余裕で新鮮な状態が保てるから。

   しばらくは血液が主食の生活が送れるだろう。

夜半:……ありがたいことだなぁ。血だけの生活なんてそれこそ何十年ぶりだろ。
   こんなに採り続けたら俺、血なしじゃ生きていけなくなっちゃうかも……。

奈津恵:貴方もともとそういう生き物でしょ。






(翌日)


夜半:おはよう

幹雄:∑( ̄□ ̄;)………!!! お、おはようございます…っ!!

夜半:? どうしたの。

幹雄:その無表情で若干けだるそうな挨拶はまさしく本物の白鳥部長ですよね!?
   お、お久しぶりです!インフルエンザ治ったんですね。

夜半:君なかなか失礼だね。まあいいけど。うん、おかげさまで治ったよ。
   やっぱりちょっとは栄養採らないとダメなんだなぁ。

幹雄:それはそうですよ…!部長は…
   人間で言えば食事抜きで生活してたようなものなんですよね?

   それじゃ治るものも治らないと思いますよ。

夜半:まぁ今回はたくさん献血してもらったし、あれをしばらく採ってれば十分かな。

奈津恵:おはようございます。白鳥さん、無事回復したようで何よりです。

夜半:あ、おはよう。奈津恵ちゃん昨日はありがとうね。
   …さて、マスターも元気になったし、安心して溜まってる仕事片付けようかな。

奈津恵:マスター」……?

夜半:ああ、俺アナザーだよ。

奈津恵幹雄:∑( ̄□ ̄;)アナちゃん(偽者)!?

夜半:なにそのアナちゃんって。
   …まぁ、元気になれば本来はこうやってマスターそっくりに出来るわけなんだけどね。

幹雄:ちょ、ちょっと…じゃあ、部長は元気に…なってるわけですよね?
   本物の白鳥部長は今なにしてるんですか?

夜半:寝込んでる間に観れなかったTVの録画が溜まってるから観るって言ってた。

幹雄:(;´Д`)………。

奈津恵:…さて…社員寮に殴り込みに行ってくるかしらね……(ハリセンを構えながら)