20131229

(都内某所のマンション)


あこ:(今年も、もう終わりかぁ…去年の今頃は、まだ泉家にいたのよね…
   なんだか、まだ少し、変な感じ……私が、一人暮らししてるなんて…)


(カーテンを開けて外を眺める)


あこ:(本当、今年は色々あったなぁ…泉家を出て、東京に来て、初めて就職して…
   次郎君と……次郎君の、奥様になる……照美さんと、同じ会社に勤めるなんて…
   特に次郎君は……ずっと、姉弟みたいな感じだったから……変な感じ……
   もう、除籍しちゃったから、姉弟じゃないけど……私は……………
   …………ううん、もう甘えてちゃ、いけないよね…………)



”♪~~ ♪~~~ ♪~ ”



あこ:!? 大晦日のこんな時間に、携帯……て、照美さん!?
   ……はっ……はい、千歳です……

照美:『あこちゃん!?実家には帰らないって言ってたから東京にいるのよね?
   今ひとり?暇?』

あこ:は、はい…ひとりですけど…ひ、暇といえば暇ですけ、ど。

照美:『じゃー今から泉君連れてそっち行くから!!!』

あこ:!!!??? なっ……どうしたんですか!?南十字部長!?


次郎:『て……てるみさ……駄……目っすよぅ……』(ものすごく力なく、か細い声で)


あこ:じろ…泉課長!? 何か後ろから苦しそうな声が…大丈夫なんですか!?

照美:『あ? あーうん、……そう、泉君がね、
   ちょっと飲みすぎて酔いつぶれちゃったのよ。
   あこちゃん家からすぐの場所にいるから、介抱してあげてちょうだい』

あこ:は、はい……(な、何なんだろう……いったい……)























(数分後)


ピンポーン ”


あこ:はっはい!今開けます!



20131229b



照美:こんな遅くにごめんなさいね。
   無礼を承知でちょっと無理矢理来させてもらったわ。
   (ぐったりとした次郎を抱えながら)

あこ:!? じ………泉課長――――!?? 大丈夫なんですか!?
   と、とりあえず、上がってください…!お茶お入れしますから…!!

照美:上がる前にひとつだけ訊くわ。あこちゃん、
   あなた泉君のこと、どう思ってるの?

あこ:!?―――――― ど、どういうことですか…?

照美:あなた、泉君とは義理ではあっても姉弟だったでしょう? そうよね?

あこ:(て、照美さんのこの勢い…な、何があったの…!?この訊き方、ま、まさか…
   私が次郎君を好き、とか、何か勘違いを…している…!?)
   あっあのっ…! 泉課長は…っ、課長ですけど…
   私にとっては、今でも弟のような存在です!!
   籍は、外れましたけど……弟には、違いありませんっ!

照美:ですってよ? 泉君。

あこ:………?

次郎:(泥酔していて何も答えられない)

照美:居酒屋で二人で飲みながら、今年一年を振り返ってたんだけどね。
   泉君はあこちゃんの事、ずっとお姉さんだと思ってるのに、
   除籍してからは余所余所しくなった、
   それがすごい寂しいって言って、飲みながら落ち込み始めちゃって。
   昔みたいに次郎君、とも呼んでくれなくなったし…
   もう自分は弟じゃないんだ、って。

あこ:……いず………………次郎、くん……

照美:会社なんだから、一応の敬意は払って課長って呼んでるだけよ、って言ってるのに
   なんかお酒のせいで落ち込みがエスカレートしちゃって…
   だったら今すぐに、はっきりとさせようじゃないの!って思って。

あこ:……それで、今日ここに来た、んですね……

次郎:…………あこ義姉さん…………ぐす

照美:……こんな調子なんだもの。あたしが妬けるくらいに姉弟愛が強いのねぇ。

あこ:あ、あはは……小さい頃から、ずっと一緒でしたからね……

照美:だからね。…お義兄さんは、いないし…籍も外れちゃってはいるけども…
   彼…ううん、あたし達を、今後も弟…夫婦として、よろしくしてやってほしいのよ。

あこ:そ、それはもちろんです!

照美:だからせめて会社の外では、いつも通りに呼んであげて頂戴。

あこ:………!

次郎:……うう……

照美:あら。本当に具合悪そうね。あこちゃん、ちょっと寝かせてあげてもいいかしら?

あこ:はい! お布団用意いたしますので…!

照美:それと…ついでに、あなたたち姉弟の思い出話でも、聞かせてもらおうかしら?

あこ:…………はいっ!





… よいお年を(´∀`) …